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【シナネン】青葉組主催のネイチャーポジティブ実践ツアーに参加~未来へつなぐ自然再生の現場レポート

【シナネン】青葉組主催のネイチャーポジティブ実践ツアーに参加~未来へつなぐ自然再生の現場レポート

■ ネイチャーポジティブ実践ツアーとは

2026年2月6日(金)、栃木県茂木町にある青葉組の社有林で開催された「ネイチャーポジティブ実践ツアー」に参加し、見過ごされがちな“湿地”が持つ力や、科学の視点から自然再生を捉える新しい試みに触れてきました。

今回の主な目的は、湿地造成や専門家とのディスカッションを通じて「水環境」や「生物多様性」を再生する取り組みを学び、その効果を科学的にモニタリングする最先端の方法を知ることです。

今、日本ではカーボンクレジットの導入が進む一方、欧米では、どれだけ地域の自然再生へ貢献したかを評価するネイチャークレジット・ロードマップが2025年に示されて注目を浴びています。私たちが取り組む「シナネンあかりの森プロジェクト」にも、国際的潮流をどのように取り入れ、発信していくべきかについて意見交換し、多くのヒントを得ることができました。


■「シナネンあかりの森プロジェクト」の新たな展開について

あかりの森プロジェクトは、2025年8月より青葉組が推進する「自然資本共創プログラムaoba」への支援をスタートしました。
青葉組が管理する栃木県足利市の土地(約9,500㎡)を「シナネンあかりの森」と名付け、森林の健全な循環を取り戻すことを目的に、「植林・育林」に重心を置いた活動を進めています。

今回、茂木町で出会った湿地再生の先進的な取り組みを「シナネンあかりの森」の活動にどのように活かせるか新たな考えが沸いてきました。


■当日の様子

当日は気温14度と暖かい天候に恵まれましたが、森に入ると水辺の一部は凍っていて冬の景色が広がっていました。

15分ほど森を歩くと湿地帯に到着。雨が一か月以上降っていなかったにもかかわらず、水辺の環境が保たれており、自然の底力を実感しました。

(栃木県茂木町にある青葉組の社有林)  

 (凍った沢)

 

1. 湿地再生と生物多様性(ビオトープ)の現場実証

青葉組の講師より、湿地再生の意義や生物の事例について解説がありました。

森林では植樹面積が重視されがちであるが、生物にとって湿地は非常に重要な場所であること。例えば、希少種の猛禽類サシバを守るには、主食であるカエルの生息地が欠かせないが、過去50年の間に農村の減少とともに湿地が失われ、ニホンアカガエルなどが大幅に減少していること。

そのことから青葉組ではこの茂木町にて「アカガエルの森」と題して、湿地のほかにもカエルが暮らすための湿った土壌や落ち葉、日陰の環境などを整備し、植林を行って環境を整える活動をおこなっていることなどの説明がありました。
カエルが増えることで、食物連鎖のバランスが保たれ、生態系全体の健全化につながるのです。

(青葉組の講師による説明を聞く様子)

(湿地の中に湧水が出る様子)

 

  1. テクノロジーによる生物多様性の定量化・クレジット化

続いて、AI技術を活用して環境分野の課題解決に取り組む東大発スタートアップ企業・株式会社Nature Define様より、リモート技術や環境DNA解析、カメラトラップ、音響トラップなどを活用したモニタリング技術について説明いただき、意見交換を行いました。

環境DNAとは、水や土壌、空気などの環境サンプルに存在するDNAのことです。生物の生息状況を調べる際、通常は採集・観察、あるいは顕微鏡での確認が必要で、時間と労力がかかります。一方、水や土を採取してその中に存在するDNAを解析することで、広範囲の生物種の存在を短時間で把握できます。多様な生物を効率的に調べられるため、生物多様性を評価するツールとして活用が期待されています。

続いて、総合建設コンサルタント・八千代エンジニヤリングの水環境調査ご担当者様

より、森林の流量調整機能やその計測技術について実物の測定機器を見せていただきながらご説明を受けました。
茂木町の湿地は、雨が一時的に溜まったものだけではなく、地下水のゆっくりとした浸透と湧出によって生まれたものです。現在湧き出ている水は数年~十年前の活動の結果であり、今の私たちの保全活動が未来の水資源を守ることに繋がります。

また、湿地再生は植樹面積のようにわかりやすく定量化しづらい一方で、トンボが数分で飛来するなどの“即効性”があります。

この特長を活かし、「シナネンあかりの森」での植樹活動と並行して実施できれば理想的だと感じました。

(水位計の説明を受ける様子)

 

3. 湿地造成の実践

湿地の役割を学んだ後、実際に湿地づくりを体験しました。
湧水がありそうなぬかるんだ地面を選び、シナネンと青葉組の社員が協力して掘り進めます。草の根や泥を取り除きながら掘ると、やがて地中から水が湧き出し、40分ほどで小さな水辺(マイクロ湿地)が完成。途中にはゲンゴロウも見つけて、生き物が水辺と共生している様子を間近で確認できました。

湿地づくりには特別な機械が必要なわけではなく、生き物が求める環境に合わせて“そっと手を加える”ことが、自然再生における大切なアプローチなのです。

(湿地づくりを始めたところ)      

(そろそろ完成かな・・・)

(ゲンゴロウを発見しました)

 

4. 今後のアクションについて

3月頃に再び茂木町を訪れ、設置したカメラ、マイク、水位計から取得したデータをもとに、生物や水環境の変化をモニタリングしていく予定です。その頃には、私たちが造成した水辺にアカガエルが産卵に訪れているかもしれません。今からとても楽しみです。
今後得られる知見は、私たちが育てる「シナネンあかりの森」の活動にも活かしていきます。

 

■ 参加を通じて感じたこと

今回の講義・体験・ディスカッションを通じて、生物多様性を支える湿地再生の重要性を改めて理解しました。一方で、植樹のように数値化しやすい活動ではないため、社会にどう伝え、共感を得ていくかの難しさも感じました。

今後、日本でもネイチャーポジティブの広まりが見込まれる中、シナネンあかりの森プロジェクトでも“貢献型”の環境活動を先駆的に進めつつ、森づくりの活動を継続的に発信し、環境保全について多くの方々とともに考えていきたいと思います。

「シナネンあかりの森プロジェクト」は青葉組と連携し、森林再生に向けた取り組みを継続してまいります。そして、環境に優しいエネルギーの普及と生態系保護を通じて、豊かな自然環境を次世代へとつなぎ、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

森と人、そして未来の地球を守る新たな一歩に、ぜひご注目ください。

 



■あかりの森プロジェクト
https://sinanen.com/project/
「シナネンあかりの森プロジェクト」は、環境に優しいエネルギーの普及と生態系保護を通じて豊かな自然環境を残すとともに脱炭素社会の実現に貢献するための活動を行っています。
【活動方針】
1.環境に優しいエネルギーの普及による二酸化炭素排出量の削減に努め、地球温暖化防止に取り組む
2.海や陸の自然保護、生態系の保護に関する活動に積極的に取り組む
3.様々な団体と連携し、豊かな自然を守り残していくことの大切さを伝え、気候変動の緩和や影響軽減に関する啓発に取り組む