■ ネイチャーポジティブ実践ツアーとは
ティブ実践ツアー第2回」に参加し、「自然資本データをどう経営・開示に活かすか?」をテーマに、森づくりの実践と座学を通して学びを深めました。
これは、2026年2月6日(金)に参加した第1回ツアーの続編にあたります。
前回の記事はこちら:https://sinanenhdgroup.ps.solanowa.com/articles/d6babtqo54f7dd7ubqsg
今回の主な目的は以下の通りです。
- 2月に造成した湿地の経過観察と、生物多様性への影響確認
- 森林の機能を最大化するための植林体験
- センサーやカメラトラップ設置地点の巡回と、データ取得方法の学習
- 取得されたデータをもとに他社と意見交換し取り組みのヒントを得る
■なぜ今「自然資本データ」なのか
TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示は現状任意ですが、自然資本が企業活動に与える影響を把握・開示する動きは急速に広がっています。
2026年1月時点で、TNFD に沿った開示を表明している日本企業は 約150社です。
※ TNFD Adopters(TNFD提言に基づく開示に取り組むと表明した組織)として登録された数
※大和総研(2025年4月1日 公表)がまとめた最新分析より
https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/esg/20250401_025010.html
シナネンとしてもこうした潮流を理解し、他社の先進事例を学ぶため本ツアーに参加しました。
■ 「シナネンあかりの森プロジェクト」の新たな展開について
シナネンは2025年8月より、青葉組が運営する「自然資本共創プログラム aoba」への支援を開始しています。栃木県足利市にある約9,500㎡の土地を「シナネンあかりの森」と名付け、森林の健全な循環を取り戻すことを目的に、植林・育林を中心とした活動を進めています。
今回のツアーは、これらの取り組みを経営や情報開示にどのように結びつけていけるかを考えるヒントになりました。
■ 当日の様子
気温15度と春らしい陽気のなか、活動がスタートしました。今回の参加企業は10社以上、参加人数は20名を超え、サステナビリティ推進部門の担当者も多く参加していました。それぞれの企業が環境活動に真剣に向き合っている姿が印象的で、各社の取り組みへの熱量を強く感じました。
参加企業一覧:ファーストリテイリング、三井物産、三井物産フォレスト、電通、中部電力、トヨタ紡織、安藤・間、ホウライ、森未来 ほか
開会にあたり、茂木町副町長・小﨑様から「森づくりは行政だけでなく民間との協力が不可欠。これほど多くの企業に関心を寄せ参加いただき心強い」とのご挨拶がありました。

(茂木町副町長によるご挨拶の様子)
(栃木県茂木町 青葉組社有林を上る参加者たち)
1. 「水源を育む森」の読み解き方(講義)
当日は、青葉組の講師より、今回植林を行う地域の生態系や周辺の植生、土壌の特徴について、専門的な解説がありました。
講義ではまず、森・湿地・草地といった多様な環境がそろうことが生き物にとって大切であること、一方で、湿地は開発に利用されやすく、この150年で約6割が失われたこと。
さらに、茂木町の土壌は水源の保水機能に優れており、水源涵養(森林が水を蓄え、ゆっくり流す力)や流出量の調整を測定するのに適した地域であること、また、森林は適切な手入れによって植生が大きく変化し、その変化が災害リスクの低減や生物多様性の向上につながることの説明がありました。
実際の現地では、登山道を境に、手入れが進んでいないエリア(下側)と手入れが行き届いているエリア(上側)が広がっており、写真からもその違いが一目で分かります。


(青葉組の講師による解説の様子)
2. 広葉樹の自然再生植林の実践
続いて、森林の機能を最大化するための植林活動を行いました。
急斜面に等間隔の印がついたロープを置き、印の位置を桑で30cm掘ってコナラの苗木を植え、土をかぶせ踏み固め、乾燥防止のために落ち葉で覆います。ロープを2mずつ上に移動しながら繰り返すことで等間隔に植林していきます。足場が悪く予想以上の重労働で、参加者からは「思ったより大変ですね」と思わず声が上がりました。
(植林の様子)
3. モニタリング
その後はセンサーやカメラトラップの設置地点を巡り、データ取得の仕組みについて学びました。
2月初めに私たちが造成した水辺を確認すると、なんとアカガエルの卵を発見!造成からわずか1ヶ月で生き物が応えてくれたことに、私たちも青葉組の人も驚きました。長期的な植林と並行して、即効性のある水辺造成にも意義があると実感しました。
(アカガエルの卵)
(卵を観察するシナネン社員)
4. 「データ × 現場」ディスカッション
「自然資本データをどう経営・開示に活かすか?」をテーマに、現場体験と実データを組み合わせた議論を実施しました。
青葉組から共有された定点カメラ映像には、イノシシの親子やシラサギが水辺で水浴びする様子などが写っており、造成した水辺が生物多様性に寄与していることが分かりました。
また、絶滅危惧種リストと照合した観測データも紹介され、森づくりの成果を客観的に示す資料として参考になりました。
(青葉組の講義の様子)
さらに八千代エンジニヤリング株式会社のご担当者様より、水位計データを用いた湿地の保水機能や流量変化の分析手法の解説がありました。そこから得られるデータを基に森林の機能を定量化することで、企業の自然関連リスク低減や生物多様性への取り組みに対して戦略的な意義づけが可能になります。
例として、TNFD開示指標のひとつ「土地/淡水/海洋利用の変化」の中には「再生・修復された総面積」などの項目が含まれており、今回のデータも情報開示に活用できる可能性がありそうだと感じました。
(八千代エンジニヤリング株式会社様の講義の様子)
その後の質疑応答では以下のような実務的な質問があがり、実務者同士の活発な意見交換が行われました。
- 各種データをTNFD/CDPのどの指標へ紐づけるべきか
- 水位データを経済指標へ変換できる可能性について
- 森づくりの前後比較を行うためのロードマップの必要性について
5. 今後のアクション
今回の学びを通じて、環境への取り組みを定量的に評価し、その成果を社会にわかりやすく伝えていくことの重要性を改めて実感しました。
今後は、得られた知見を「シナネンあかりの森プロジェクト」にも積極的に取り入れ、より多くの方に共感いただける活動内容を検討していきます。また、得られた知見を経営や情報開示にもどのように反映できるかを探ってまいります。
「シナネンあかりの森プロジェクト」は青葉組と連携し、森林再生に向けた活動を継続してまいります。環境にやさしいエネルギーの普及と生態系保護を通じて、豊かな自然を次世代へつなぎ、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
森と人、そして未来の地球を守る新たな一歩として、ぜひご注目ください。
■あかりの森プロジェクト
https://sinanen.com/project/
「シナネンあかりの森プロジェクト」は、環境に優しいエネルギーの普及と生態系保護を通じて豊かな自然環境を残すとともに脱炭素社会の実現に貢献するための活動を行っています。
【活動方針】
1.環境に優しいエネルギーの普及による二酸化炭素排出量の削減に努め、地球温暖化防止に取り組む
2.海や陸の自然保護、生態系の保護に関する活動に積極的に取り組む
3.様々な団体と連携し、豊かな自然を守り残していくことの大切さを伝え、気候変動の緩和や影響軽減に関する啓発に取り組む

■シナネン株式会社について
シナネン株式会社は、シナネンホールディングスグループの法人向けエネルギーサービス企業です。石油製品の販売、再生可能エネルギー、電力販売、太陽光発電メンテナンスなど、幅広い事業を展開しています。
■シナネンホールディングス株式会社について
シナネンホールディングス株式会社は、1927年に創業したエネルギーサービス企業グループの持株会社です。グループのミッションとして、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を掲げ、消費者向けのエネルギー卸・小売周辺事業、法人向けのエネルギーソリューション事業、非エネルギー事業(自転車事業、シェアサイクル事業、環境・リサイクル事業、システム開発事業、抗菌事業、建物維持管理事業等)を提供しています。脱炭素社会の実現に向け、企業としての取り組みも強化しています。
【報道機関からのお問い合わせ】
シナネン株式会社
担当:経営企画部 経営企画・広報チーム
TEL:03-6478-7897 E-mail: sinanen-kouhou@sinanengroup.co.jp